節目

たくさんの　ぶたいが　そろう　中
せめぎ合って　ぶつかりあう　戦いになったならば
とつげきして　つゆばらいをして
そして　たくさんたくさんは　しんだり　けがをする


それが　じぶんの　役割
じゃくろの　役割


じゃくろは　とくべつ　なんかじゃない
前も　今も　これからも

とくべつに　なりたいわけじゃ　ない
前も　今も　これからも


だって　とくべつは
すでに　ほかのところ　に　あるって　わかってて
それを　そのばしょまでを　うばいとろうとかおもうきもちは
すなのかけらほどもなくて


だって
そのばしょを　うばいとったって　いみが　ない

だって
じぶんが　いきていられるじかんが　とても　すくないこと　くらい
あっさり　しぬってことくらい――いたいほど　わかっていた　から


こえられないかべ　てにいられらないもの　は　どうしてもあって
じゃくろがもつ　じょうきょうや　やくわりから　おおきくそれることは　むずかしくて
おばかな　じゃくろに　できることは　ほんのわずか

おとぎばなし　や　ゆめものがたり　みたいな　＜とくべつ＞　に
だいじなもの　てにいれたいもの　みたいな　＜とくべつ＞　に
なりたいと　ただひとかけらすらも　おもわなかった　わけじゃ　ない


でもそれは　じゃくろには　ふかのうだって　しっていた。


じぶんは　とくべつなんか　じゃない

カレイディア　みたいな　まほうが　つかえる　わけでは　ないの　だから
きせきとびかう　ばしょでも　うまれでも　つかいてでも　ないのだから


とくべつじゃない
だけど　とくべつじゃなくても　ひとつ　のぞんで　よいならば

……ちがう

とくべつじゃなくても　のぞんでた　ことは
じゃくろは　やくに　たつ　何かに　なりたかった。

できるならば
―――　の　―――　を　とりはらえる　何か　に。
ほんの　すこしでも

ちがう

それいっさいが　むだに　なると　しても
―――　を　とりはらえる　可能性がある　何か　に　なれれば。


かんがえる　だけ　では　ふかのうなこと
それは　前も　今も　かわらない

のんで　わらって　たのしい　じかんで　も　
うえて　くるしくて　うけるきずたちの　いたいがたくさんの　ときで　も
こえられない　かなわない　それは　いつも　じぶん　に　まとわりつく。
はなれてくれない。


あがいて　こうどうして
それでもだめな　ことは　いっぱいある。
それこそ
がらにもなく　わめきちらしてなきたくなる――それくらい　それは　いっぱい　あった。


でも　それは　前
しんで　こなごなになる　その前の　こと。
ぎしきをうけて　ながれこんできた　まえの　かけら。

それよりも　あとなら
しんで　こなごなの　あと――いま　ここならば
きせきやふしぎが　あたりまえの　カレイディア　ならば


力を秘め　魔を秘め　魔性を呼び寄せる≪魔石≫
銀色は　しろっぽいぼややを　たましいと　よばれる　ぼやを
たくさんたくさんの　ませき　で　おぎって　のぞむ　からだをつくってる。
魔宝　が　もどれば　もっと　いろいろ　できるって　いう。


ならば
魔宝　を　うばって　たくさんの　魔石を　じゃくろ　つかえば
これから　ならば　役に立つ何か　に　なれる。


じゃくろの　前には　みれん　ない。
くいも　ない。
おばか　でも　かけら　でも　それは　まちがいない　きちんと　そうおもえる。

だから　いま　これからが　もんだい。
役に立つ　何か　になるために　魔宝　を　魔石　を　集めて　つかう。

じゃくろ　の　前は　死者
もう　使えない　ただの　はいがす　おばかな　英霊
でも　その　おばかな　前の　かけら
それのなかに　つかえるものが　あるなら　ば　りよう　しよう。

今の　カレイディアならば　つかえる　が　ある。
じゃましてくる　のが　おおいなか　ほしいものを　てにいれるために
つかえるから　銀色　じゃくろ　を　呼んだ　そういった。

あらそって　うばいあう　なかならば
いたい　くるしい　でも　むりする　ならば
じゃくろの　前が　つかえる　から。



「あら、その身体は飽きたのかしら。
いいわ、好きな依代を希望しなさい」

「戦士の依代が希望なのね、魔石の準備は出来ているかしら？」



じゃくろは　いくさで　しんだ　英霊
はかいしか　できないくせに　―――　した
英霊と　は　なばかりな　おばかの　へいし。

たくさんたくさん　けがをして　きずも　なおらず　のこるけど
そんなのおかまいなしに　うごいたり
がまんして　うけながして　たえることが　とくいだった　へいし。
ごうもんも　うえも　ぶぜいも　にちじょう　と　ながして　いた　へいし。

その“たえること”が　ちゃんと　ここでも　できるように
いまのじゃくろに　も　もどって　つかえる　ように
たくさんたくさんの　魔石を　じゅんび

そして　銀色に　おねがい　した。