エクステンション1回目前日

表向きはシリアス薄め方向で行きたいなーと思いつつ

英霊や英雄と言う言葉を引いてたら何故か書けたので。
投稿は更新日２年前にしておけばだいじょうぶ――ですよね。

　もちもちの　からだを　つばさに　変えて
　３どめのしょうじきで　そらをとぼうとして
　地面からはなれられずに　じべたにべっちょり　してたとき


　ふわふわとした　わっかがついた　とりがきた。
　ませきをほしがるまるいとり　ふしぎな力を感じるとり。
　橙色が言うには　そのとりは幸運と不幸を司る　精霊のとり。
　橙色に追っかけられて、ぴゅ～っと春風のように吹きぬけていった、とり。


　精霊、か……
　精霊ならば　―――　は　喜ぶの　かな？
　きっと　ふしぎなちからがあれば　わざわいは　ぬぐえる　よね？
　銀色みたいなふしぎな力とも　紫色みたいなつよい力ともちがうけど
　きっと……

　銀色に頼めば、あのとりになれる、かな？
　頼んで　みようっ




「嫌」
　頼んだ時の銀色の目は、とってもとってもつめたかった。




「駄天使になって破滅を呼ばれたら困るわ。
　そもそもあれは精霊のなりそこない、なりそこないのなりたいの？」

　なりそこないでも　かまわない　よ？
　だって　とけて形がないおもちよりも　きっと　たすけに　なるから。
　そらもとべない　ちいさくて頼りない　おもちよりは
　同じように小さくても　なりそこないでも　ふしぎな精霊のほうが……

「あなたは私が呼び出した英霊なのに？」

　英霊　が　たすけになるとは　かぎらないよね？
　なんで　英霊　が　なんでもいいものだって　おもえるの？


　おもくなる　くうき。
　たえられなくて　逃げるように　ウツボカズラの中に引きこもって
　ふたをぱたむ。


　ぎんいろ　たぶんいまのは　怒った……


　……。


　…………。


「ムウが来るほどの魔石を持っているならば、その魔石を持って一度お出でなさい。
　あなたの――英霊の力を底上げする、後追いの儀式を掛けるから」

　ながく　しずかな　あとに　やわらかい……こえ。
　暗いウツボカズラの外側から　銀色のこえが　きこえて　くる。

「魔石は後で困らない程度に、でもなるべく沢山持ってくるのよ？
　ムウなんかに変な期待を抱いてコンファインするよりも　使えるってところを見せてあげる」


　ふたの隙間からそろりと覗く
　ふたのむこうの　まっくらやみでは
　銀色が　ほわんとひかる　ふしぎなもようを　かきはじめて　た。