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じゃくろのうつぼかずらに張ってあるメモ帳です。
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虚無なほどに虚無です。
知人に投稿前に見せたら【一片の救いもない】とか……。
たゆんをじゃくろに期待している場合は見ない方が無難です、プチグロ表現も混じります。


じゃくろが英霊・英雄と言う言葉を否定気味に捉えてる、その理由の素のお話。
英霊成分強めです(じゃくろノリで書いてたら、読みづらさがとんでもないですしね)
――“英雄”とは
   才知・武勇にすぐれ、常人にできないことを成し遂げた人の事である――

 英雄という言葉がある。
 優れたモノ、為し得ぬ事を現実に変えたモノへと送られる称嘆を含んだ比喩の言葉。
 多くは研究の様な勉学ではなく、製作や実地の行動への称賛に使われやすい言葉がある。

 ひとびとは、それに夢を馳せて物語る。
 生まれて間もない純粋無垢な子供たちは、いつか“そうなりたい”と夢を馳せ
 物語へと耳を傾け心を躍らせる。
 古き御伽草紙の英雄譚然り、現代の奇跡物語然り
 登場人物に像を重ね、そして見果てぬこと無き夢を見る。

 では反対に
 それに成る力を持つことができるであろう幾千幾万の多くのモノは、果たしてなることができるのか。

 少なくとも自分の居た世界では
 物語に出てくるような大きな体躯を持つモノ――大人たちが
 “自分は英雄である”“自分は英雄になるのだ”などと言う言葉を口にしていたとすれば
 そのものは狂っていると、まず真っ先に正気を疑われるような世界だった。

 神の言葉を受けて部隊が動く。
 小さな駒達が徒党を組んで、各自めいめい強襲を掛けては奪い合う。
 傷つけあい、殺しあい、生きるために奪い合えば、生き残ることすらひと握り。

 それはこの昼なき世界――常闇の魔界ですら同じこと。
 自分の居た世界より滑稽なことが罷り通る、不思議な世界でも同じこと。
 滑稽なことが罷り通らぬ非情な世なら、奪い合う殆どのモノが死に絶え果てて積み重なる。

 果てに待つのは
 融けた餅のように、ぶよぶよと白く膨らんで漂い喰われるか
 弾けた石榴のように、肉弾け赤い液体を撒き散らして穢して忌まれ掃き捨てられるか
 静かな戦いの最中の中で、枯れ果てた草木のように乾き折れるか
 武勇や才知の欠片も振るえず自然と時に翻弄されて、大きな棺桶とともに常闇に呑まれ沈みゆくか。

 虚無に呑まれてしまえば終わり、リセットもやり直しもそこにはない。
 一騎当千――たった一騎で幾千もを相手取って打ち倒すなどとは夢物語
 “英雄”を持て囃す御伽話は、死に果てぬ世界の物語。
 夢と空想の世界のお話。

 自分が居た世界では、英雄と呼ばれるものは存在しない。
 “英雄”と、そう呼ばれるものが、自分の世界でもしいるとしたならば
 恐らくそれは、そう呼ばれてしまう程バカげたことを行って死んだ――間抜けに送られる言葉だろう。

 神の言葉に背き、矮小な己では太刀打ち出来ぬ事へと身を投じ
 そして犬死にして醜い屍をさらした大戯け。

 救えぬクズへと送られた――皮肉を込めた、言葉だろう。
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