ゲンソウ

鳥に　なった。
青いのが　細工をしたから　鳥になった。
みんな　みんな。


じゃくろも　鳥になった。
何かを銜えてる　青い　鳥。
既視感　よぎる　青い　鳥。


青い鳥、強い。
初めて護衛、ちゃんと役に　たった。
黒い魔術師を　さっくり　殺した。


鳥のように強く　在りたい　な。
でも、破壊するだけの　破壊ばかりの鳥は　いや。
わがままだけど　それは　いや。


だって　破壊や　強奪は
なんにも持っていないなら　在るためには　必要だけれど

奪うことしか　破壊しかできないのは
たくさんをもってる　―――　と　対峙していると
ただ　かなしいが　あるだけ　だったから。


それ　は　―――　とは　違うのだ
そう　文字どおり　痛いほど　思い　知る。
それ　だけ　の　こと　だった　から。


紅玉みたいな　強さが　欲しい。
壊れず　護って　癒して　与えて
毒から　死から　命を　持つものを　恐れを濯ぐ　強さを。




……。



紅い　魔石
たくさんたくさん集めれば　なれる　か　な？

ちいさな　ちいさな
橙色や　今のヨリシロみたいな躯　でも
魔石をたくさんたくさん集めて使えば　望みは叶うよ――ね。


あの
黒い　術師　みたい　に。